こんな話でいかがですか?

~Summer Heartbreak~

日々の出来事をメインに書いています。
兎にも角にも書くことが好き。

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こちらもよろしくお願いします。


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Novels

天使にラブストーリーを

俺が通っている高校ではキリスト教を重んじている。
毎朝敷地内にある教会に全校生徒を集め、普通の学校が教室で担任と行う「朝の会」を兼ねて礼拝をしている。
宗教を否定するつもりは毛ほどもないが、俺のように無宗教の生徒にとってはなかなか辛いものだ。
賛美歌を歌わされ、教師が当番制で行う下らない話を聞かされ、また賛美歌で締める。
聴いたことのある曲のときはまだいいが、全く知らない曲のときは適当に口パクで合わせるしかない。
音楽の授業は選択科目なので特に教わることもないのだ。

それが次第に面倒くさくなり、学校まで自転車で十分ほどの距離であるにも関わらず、遅刻気味になった。
ちょうど礼拝が終わる頃に着くように調整し、教室 でクラスメイトが教会から戻るのを待っている。
遅刻は三回で一回欠席扱いになるので注意が必要だ。
嫌いな日本史のノートの一番後ろのページを使い、自分で 遅刻をカウントし、卒業に必要な出席日数を計算している。
現在六月。
このペースならまだまだ遅刻できる。


そんな、嫌々ながらも出席したある日の礼拝で俺は恋をした。


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メルヘンチック・ウェザー

紅茶はストレートで飲むものだとハルミは普段から力説している。
ペットボトルに入った紅茶は、『ストレート』と表記されているにも関わらず、砂糖が大量に入っていることに納得が出来ない、という話を聞かされるのはもう三、四回目。
茶葉の名前を言われても俺には全く分からないが、この喫茶店の紅茶はそんなハルミも認めた味だ。


ハルミと知り合ったのは二ヶ月ほど前。
一人欠員が出たからと数合わせで当日に呼ばれた、俺にとって人生で初めての合コンだった。
大学院の科学研究室に篭り、休日は家でブラウジングかテレビゲームをするだけの日々を送っている俺にはあまりに刺激的だった。
王様ゲームこそやらなかったが、五人ずつの男女の内、二組も二次会を抜けて夜の街に消えた。
二十代半ばともなると、数時間会話をしただけで性交渉の約束を交わせるらしい。

そんな合コンの一次会の席替えタイムでハルミと隣になり、家が近所だということが分かって意気投合した。
ハルミがこの喫茶店を教えてくれたのはそのときだ。
それから何度かここでお茶をしている。


「ねぇ」
「ん……うわっ」

ハルミがティースプーンを俺の目の前に突くように向けていた。
俺が気付くとそれでカップの中を一周して一口飲んだ。
ストレートなのに混ぜる意味はあるのだろうか。

「どうしたの? ぼーっとしてる」
「ごめんごめん、ちょっと考えごと」
「聞いてなかったでしょ?」
「何を?」
「やっぱり」

ハルミはわざとらしく頬を膨らませた。
人と話をしている最中でも、それと関係ない考えごとをしてしまうのは俺の悪い癖。
ハルミはもう一口飲んでから続けた。

「『聞いて欲しい話がある』って言ったの」
「あ、そうかごめん、何?」

俺は身を乗り出して、しっかり聞く意思があるという主張をした。

「変な話だけど、信じてくれる?」


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彼女の願いごと

部屋が真っ暗だと眠れない。
もう高校二年生なのに暗闇が怖い。
だから寝る時は枕元の電気スタンドを点けっぱなしにしている。
部屋全体が蛍光灯のオレンジ色になって温かく感じて、怖さと寂しさがちょっとだけ緩和される。
寝付きは良い方だと思う。
横向きになってスマホをいじっているといつの間にか朝になっている。

でも、今日は様子がおかしい。
出窓の方から何か気配がする。
そうはいってもここは二階。
よじ登れるような足場や管はない。
なのにカーテンの向こうに何かいる気がする。

私は怖くて強く目を閉じながら手探りで電気を点け、ゆっくりと目を開け恐る恐る出窓に視線を移した。
特に変わった様子はない。
いつものようにクマやネズミのぬいぐるみがこっちを向いて仲良く並んでいるだけだった。

良かった、気のせいか。
また電気スタンドに切り替えようとした。

「こんばんわー」

出窓からの声に目をやると、クマのぬいぐるみの後ろにアゲハチョウのような羽が見えた。
私が理解をする前に羽が揺れ、後ろに隠れていた羽を持つ何かが顔まで三十センチくらいの距離に飛んできた。

「あのー、こんばんわー」
「キャー!」
「ちょっ、静かに!」

私の声が響く前に手で口を押さえられた。

妖精? 上下緑色の服を着て、羽でホバリングしている。顔からすると男かな。
けっこうイケメン。

「あなたの願いを一つだけ叶えに来ました」


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